人は、どれだけ好きなものでも、同じ刺激が続くと飽きてしまうのだと思います。
同じ音楽。同じ寿司ネタ。同じ話。
同じ会話。同じ女性。
言い方は少し悪いかもしれないけれど、
すぐに飽きてしまうものは、
短期的な欲求の部分が強いのかもしれません。
たとえば、高級ウニ。
高級ウニはたしかにおいしい。
特別感もあるし、食べた瞬間に「うまい」と感じる。
でも、もし毎日毎食、高級ウニが出てきたらどうでしょうか。
最初は嬉しいかもしれません。
「こんな贅沢をしていいのか」と思うかもしれません。
でも、3日、1週間、1ヶ月と続いたら、きっと飽きてしまいます。
どれだけ価値が高いものでも、
同じ刺激が続くと感動は薄くなっていくのだと思います。
これは食べ物だけではなく、音楽も、恋愛も、
会話も、発信も同じかもしれません。
最初は新鮮だったものも、同じ形で繰り返されると、人は慣れてしまう。
慣れると、ありがたみを感じにくくなる。
そして、さらに強い刺激や新しい刺激を求めるようになる。
でも、本当に大事なのは、
刺激を強くすることだけではないと思います。
高級ウニでも、角度を変えればまた違って見える。
たとえば、
新鮮な朝どれのウニ。
珍しい産地のウニ。
炙りチーズをのせたウニ。
塩で食べるウニ。
職人さんが「これは今日一番のオススメです」と
一言添えて出してくれるウニ。
同じウニでも、見せ方や文脈が変わるだけで、
受け取る印象はまるで変わります。
つまり、飽きるのは素材そのものが悪いからではなく、
角度が固定されているからなのかもしれません。
お笑いのネタも同じです。
鉄板ネタがあれば強い。
でも、その鉄板ネタがずっと受けるとは限らない。
時代によって、空気によって、相手によって、受け方は変わる。
同じ話でも、
会話の間。
リアクション。
大喜利。
ボケ。
ツッコミ。
拡大解釈。
たとえ話。
そういう技術や角度が加わることで、同じ本質でも新しく聞こえる。
これは発信にもつながると思います。
自分が何度も話しているテーマがあると、
「また同じことを言っているのではないか」
と思うことがあります。
でも、本質が同じでも、
角度を変えれば伝わり方は変わります。
しかも、人は他人には興味や関心がないので、いちいち
「前と同じ投稿だ」
「AI使っていてオリジナルでないな」って
見る人は思ってもいちいち文句は言わないものです。
それは他人に無関心だからと、時間がないからです。
で、
心理学から見る。
お金に置き換える。
恋愛に置き換える。
寿司に例える。
母の手料理に例える。
職場の人間関係に置き換える。
同じテーマでも、見る角度が変われば、違う人に届く言葉になる。
むしろ、発信で大事なのは、
毎回まったく違うことを言うことではなく、
同じ本質をいろんな角度から届けることなのかもしれません。
人は、同じ言葉では受け取れなくても、
別の比喩なら受け取れることがあります。
ある人には寿司の話で届く。
ある人には恋愛の話で届く。
ある人にはお笑いの話で届く。
ある人には仕事の話で届く。
だから、本質を持っている人ほど、
角度を増やすことが大事なのだと思います。
すぐにできるものは、すぐに真似される。
すぐに手に入るものは、すぐに飽きられる。
すぐに広がるものは、すぐに廃れやすい。
でも、時間をかけて積み上げた経験、
価値観、信頼、人柄、言語化力は、簡単には真似できません。
それは、その人の中に染み込んだものだからです。
高級ウニのような強い刺激だけに頼ると、いつか飽きられる。
でも、見せ方、文脈、間、温度感、
物語があれば、同じ素材でもまた新しく届く。
飽きられるのは、本質が悪いからではない。
角度が固定されているからなのかもしれない。
だからこそ、僕はこれからも、
自分の経験や価値観をいろんな角度から言語化していきたい。
同じことを言っているようで、少し違う。
同じ本質だけど、違う角度で届く。
それが、発信の面白さであり、言語化の力なのだと思います。
